日記選りすぐり

モドル





 3月4日


卒業証書、今回は筒じゃなくてノート型なんだね。


もう三日前の事なんだ。

あの日でもう一生会わないヤツもいるんだなぁと思うと、もうすこし感慨深く別れを惜しむべきだったかな、とも思う。

きっとあの場で泣ける人ってのはきちんと卒業を自覚し、実感できている人なんだろうな。

泣くどころか、答辞の際のスライドショーの男の顔のおもしろさを退場まで引きずってしまって、必死で笑いを堪えながらの行進で人生の一大行事を終えた俺。

まぁ、卒業式にも関わらず股間をガチガチにした。なんていう友人よりは幾分マシに違いない。彼は本物だよ、きっと。

これから「卒業」について徐々に実感していけばいいさ。

そんな風に思う。


ベッドの横の本棚をふと見上げると、そこには一台のインスタントカメラが。

「こんなところにあったんだ。」

それは修学旅行の時のカメラ。

旅行から帰ってきてそのまま現像を見送っていると、どこにいったかわからなくなったという一品。

元々写真が好きな方ではないので放っておいたままだったが。

手に取ってファインダーを覗いてみる。

このカメラでどんな顔を、風景を撮ったんだっけ。

友達や先生、バスガイド、ショップの店員さんなんかも撮ったかな、確か困った顔してたような気がする。

すでにもやのかかった過去の事を鮮明に思い出させる事のできる写真。

故に過去ばかりに思いを馳せて前に進めなくなりそうなのが怖い。


今までで使ってきたインスタントカメラの数はきっとまだ2,3台。

とかく写真好きな子は10台以上使い切ってるんだろうな。

まだカメラ撮りに関しては初心者の俺。

「いいねぇ、いいよぉ〜。」

なんていいながらシャッターを切る。

パシャリ。


え、まだ枚数残ってたの!?

・・・撮れてしまったふぃんふぉふぃんふぁふぁ

だって出てたんだもの。

下半身真っ裸で思い出にふけるやつもやつでバカここに極まれリだが。


現像する時って、現像職人の方たちは写真見るのかな?見るよね。

インスタントだし、近すぎるとあれでしょ、不鮮明でしょ?あの体勢だと完全パオーンだね。



思い出の品。未だ現像できるか、審議ランプ点灯中。



卒業って、何を卒業してきたんだっけ?

卒業式で座ったパイプ椅子にそのまま置いておきたかったものも、置くのを忘れてこの通り。

人はそんなにすぐ変わるものじゃないよ。と、いうのをよく聞く。

じゃぁどこでこんなんになったんだか。




 3月6日


問う。本気?


6バイトに込められた鋭さ。

目を背けてきたからかもしれない。

ちゃんと向き合って来なかったからかもしれない。

臓が縮こまるような感覚で萎縮する。

きちんと、真っ向からぶつかられたのは初めてかもしれない。

人は一方的に罵り、人は無条件に賛美し。

静かに、届いた言葉。


そのどれもが持つ根底にある優しさ。

結局どれが一番という事はない。

そのどれもが一番優しく、痛い。


押し黙るしかない罵倒。

安易で不安まじりの期待を背負う賛美。


簡単に答える術の無い、問い。


問う。本気?


可能性は進んだ先にあるものだ。

その一歩が進めるかどうかを問うのか、その先にある何かを掴めるかどうかを問うのか。

本気か本気じゃないか。

きっとその問いで求める答えは、口ではなく行動で示すものだと思う。


だから今は黙しておく。動かすのは口ではなく足。



いつか今日のこの日の記録を笑いながら見れるように。




 3月13日


病気進行形。


病気に余りかかったことの無い健康体の俺にとって、

今回の病は人生で一番きつかったとここに記録する。


最高体温は9度6分

風邪であってもこのくらいの高熱はざらにあったりするのだが、

今回の病は三半規管に強くでた。

あっちにフラフラこっちにフラフラ、一度だけでいいからなってみたかった

「ネクタイハチマキすし詰めつまみの酔いどれサラリー」の状態に体はなったが心は真っ青。

ベッドに寝れば関節痛でじっとしてると節々に痛みが走って上手く寝れないわ起きると耳の近くでフライパンをおたまでマッスルコンテスト優勝者が本気で叩いてるくらい頭がガンガンする。

叩いてるのが新妻か隣の幼馴染だったら速攻で起きてエプロンの紐を四本の指で解いて、でへへ。(末期)

これは肉体的にも精神的にも人間的にもまずくなってきたというので、(一部生まれつき含む)

近くの診療所に行く事にした。

フラフラは少し収まってきた頃を見計らって出かける。

このくらいの病ならまだ一人でも病院に行けるが、一人では動けないくらいの重病になってしまった場合は大変だ。

一人身っては辛いねぇ・・・。ガンバレ独身組!

ただ、いくら辛くなったとしても「いつか藤原の姉さんがアパートに上がりこんでくるさ!」とかいう期待はもつな?

少し荒い息を吐きながら診療所へ到達。

保健所と診察券を見せて診察室へ入る。

医者に聞かれるままに病状を伝えると、インフルエンザかな、といわれ

異様に長い綿棒を取り出し、これから鼻をほじるからね宣言。


えぇぇ、そんな長いので突かれたら壊れちゃう!

ゴリ、ゴリ、ゴリ。右を、左を何度も突かれ続ける猛子。そのしっかと閉じた瞼の奥にある怯えた目は痛みからくる恐怖によるものなのか、痛みと共に訪れる奇妙な感覚を恐れているのだろうか。次第に激しく突き始める先生。はじめは単なる上下運動だけのものだったのが、棒を回しながら突くという荒業に出始めた。回る棒が中の壁をこするように自在に動き回り、中の全てを隙間無く棒で埋め尽くそうとする先生を、やはりその道のプロなのね・・。と思うのも束の間。何か変な感じがしたと思うと、どんどんその感じが増してきて・・・ああ、あ・・そこは、それはダメ・・ダメェェェェ!!!


「はい、終わりましたよー。痛かったですかー?」

ったく、気楽に言っちゃって。こっちの気も知らないくせに!

堅くつぶった目をそっと開き、棒の先を見ると・・。






よかった、ハナクーソ付いてないヽ(゚∀゚)ノ



それじゃあっちの部屋でまってて下さいねとベッドのある部屋で寝ながら待つ。

あんな恥辱プレーがあるなんて知っていれば念入りにほじっておいたのに・・。

とぼやいていると、また診察室に呼ばれ医者から一言。

インフルエンザは陰性でした。と。

掘られ損かよ!と思いつつも、家で住んでいるのは俺と働くウィメン2人、インフルエンザ患者はもれなく隔離される運命なので、風邪ならまだマシだろうと安堵していると。

「これは胃腸炎ですね。」


胃腸炎?胃腸炎て熱と頭痛と関節痛を併発するものなのか?

とあまり聞きなれない病名に首をかしげている内にさっさと薬の名前と説明を終えて、退席してしまったので、重要な事を聞き忘れていた。

空気感染するのかどうか。

なんやら炎ものと聞くとなんか感染はしなさそうな気もするが・・。ウィルス性のものとかもあったような気もするし。

下手に感染させて恨み言を言われるのもアレなので、しばらくはきちんと寝ておこう、と。


ま、診察を終えてもらった処方箋を一度家まで持ってかえってしまったのは、健康体故の嬉しい過ちってやつだね、姉さん?



ただの世間知らずだとさ。



 3月14日


何事にも流行に疎い家系。


やっとドラクエ8を買って休みの日はずっとプレイな姉。

今頃風水に興味を持ちだしていかがわしいシールを部屋に貼り出して大丈夫か母。

雑誌のシールの運が良くなる度は雑誌の裏表紙の開運ブレスレッドと同レベルだと思うのだが・・。まぁ何事も信心信心。

そして最近ケイゾクにハマりコンプリレンタル。し〜ば〜た〜?な俺。

今のハイチオールなCMでビシっと決まっている中谷美紀は偽者に違いない。きっとそうだ。


大きな流行にはイメージの定着があると思う。

例えばOL姿の江角 ナース姿の観月ありさ 笑顔のヨン様 ぼーっとした感じの中谷美紀。


その姿を見れば今までの強烈なイメージがフラッシュバックされ、時に新鮮さを覚えれば違和感を覚える事もある。

タイタニックのレオナルド・ディカプリオはタイタニックでのあの熱演、一大センセーションを「失敗だった。」という。

強すぎるタイタニックのイメージは新境地においては邪魔にもなった。

演じる者にとって、もうその役でしかあなたを見れない。というのはあまりに痛いのだろう。


かたや一つの誰にも負けない大きなハマリ役。かたや何でもこなすマルチな演者。

自分を変えず己の個性を貫き通す人。人によって付き合い方、対応を変えてマルチな付き合い。


何が良くて何が悪いのだろうね。

ま、何事も一長一短ではあるか。


今後の仲間由紀恵に期待しつつ・・。




 3月30日


友人からアドレスを変えたとのメール。

初めは単に今のアドレスに飽きただけなのかと思った。

だが彼の元のメールアドレスは彼女のイニシャルと自分のイニシャルを×で結んだラヴーなアドレス。

彼からのメールを見る時にどうしてもアドレスが目に入ってしまう機構に関してヴォーダフォンを恨む事もしばし。

そんな俺の心をオールウェイズ逆撫でしていたアドが今回はzenikasego@。

なんて2人の蜜月な雰囲気から現実的な思考へのバトンタッチ。

何事かあったのやも。と思って、聞こうか聞くまいかと悩んでいると

またメールが届いた。その内容は簡潔に一行、


別れました〜。


とのこと。狂喜乱舞して、勝訴と書かれた半紙を持って100mを9秒♭で疾走する黒い俺を心の隅に追いやって、彼になんて返信したものかと悩む。

とーんと悩み相談が苦手な俺に気の利いた事がいえるとは思えない。

それに下手な慰めが必ずしもプラスになるとは思わない。

さんざん悩んだあげく、携帯のボタンをピピっと軽快に操作し、テトリスを始めた俺。

そこらへんに人間関係について改善すべき事が隠されていそうな事は分かった。


だが、この俺の行動が果たして完全にダメな事でしょうか?

いや、俺は失恋の傷を癒すのは淡い涙と時の経過だと思うわけです。

そう、思いつき半分の慰めも、失恋劇のほじくり返しも、辛さを思い出させさらに消沈させるだけなのであります。

よって今はただ何も聞かず、彼が言いたくなったときだけそっと耳を傾けてあげればいいんだと思います。


という考えをひっさげて俺はテトリスで最高得点をマークして喜んだり落ち込んだり。



その後数日

彼から頻繁に掛かってくる「寂しいから遊ぼうよ」「今日暇?」メール。

いまだかつてない積極的なアプローチに、

一年近く押入れに閉じ込められていた去年使い切れなかった使い捨てカイロが新しい冬が来ていきなり需要曲線がMAXまで跳ね上がった感を感じずにはいられない今日この頃。

今度はいつ?いつまたアタイは捨てられるの!?

と、次の女の襲来に脅える通称たっくんこと猛(18)

「もうこんなに傷つくなら女は作らない」宣言ほど見え透いた嘘はないな。と悟る日も近いか。
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